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2009年10月 3日 (土)

不公平

私は過去約20年にわたり派遣社員であった。

Pc_2 ハッキリ言って20年前の派遣社員に比べれば、今の派遣社員は恵まれている。
私が派遣になった頃は、年金も健康保険も全部自腹。雇用保険だってない。
10年目くらいから派遣法とやらが整備され始め、希望すれば就業している期間のみ、年金や各種保険の保険料を派遣元が一定額負担してくれるようになった。その後有給休暇もつくまでになった。

それでも手が足りないから派遣を雇うのであって、手が足りればお役御免は当然のこと。
派遣とはそういう立場と承知でしてるのだから、文句は言えない。


ある大手化粧品会社の経理でベテランのチーフが辞めてしまったので、次が見つかるまでとりあえず3ヵ月という契約で派遣された事があった。会社としてはある程度の経験者を探したいので、見つかるまで時間が掛かると思ったらしい。女性課長さんとウマが合い、良かったらここの社員Desk_2 にならない?とお誘いまで受けた。が、予想に反して1ヶ月目でアッサリ経験者が見つかった。「ごめんなさいね」の一言と、高級化粧品一式を渡されてお終い。派遣元も残り2か月分の代替派遣先を用意してくれるわけでもない。

まぁ、当時は主婦でもあったし、そんなに必死に間をつなぐ必要もなかった。それに、この頃は夫の天引きに影響しない主婦の収入の上限が60万円だったから、単発・短期の仕事を依頼していたのだが、なにせバブル期の東京、いくらでも仕事はある。契約途中での派遣切りたって、あぁ、仕方ないわねってな感じだった。

同じ会社に同じ人を3年以上派遣出来ないというお達しがあったらしいが、派遣の後半は8年近く一つの会社で仕事をしていた。社長の他には正社員さん1人、バイト1人の小さな会社だったが、派遣元が「3年以上はダメなんです」と言いに来ても社長が屁理屈こいて頑として受け付けず、居続ける結果になった。5年目の時、正社員さんが辞めた。その後人が居つかず3年の間に6人ほど変わった。仕事的には派遣である私がメインになり、次々変わる正社員さんに仕事を指示するという、逆転現象。6人目が辞めると宣言した時、私も更新を辞退した。

その時、既に40歳を過ぎてた私に次の仕事はなかった。全部年齢で切られる。1年プーをして、その間パソコン教室に通いワープロ検定2級を取り、Excelはある程度の応用編まで学び、Power Pointや Accessも一通りサワッタ。元々英検準1級とCambridge英検Firstと国連英検C級は持ってたが、英検なんて時代遅れ、国連英検なんか誰も知らない。Cambridge英検はTOEICではどの位?と毎回聞かれるので、TOEIC780点を取り直した。それでも派遣の仕事は来ない。

別の派遣会社に登録しようとしたら、35歳以上は受け付けないと断られた。一応登録だけはさせてくれた所はシニア枠で、事務の仕事はまずアリマセンと念を押された。ようやくハローワークでパート職をみつけ、そこで4年後正社員に昇格した。

この職場にはもう1人パートの女性が居て、20年来パートながら社長秘書兼経理・総務を担当している。経理といっても帳簿付けは社長と会計士さんがしてくれるので、銀行の入出金が主な仕事である。しばらく経って、よくパートを切られないなぁ~と感心してしまった。先ず、時間通りに来ない。土・日の他に、週に1日と半日休みなのだが、この半日出勤がくせもの。基本は午前出勤と決まっているのだが、午前に来たり午後に来たり。それも連絡なし。朝姿を現さなかったら、午後に来るのだな・・と周囲は理解する。で、午後来るかと思うとなかなか現れず、ふと自分の携帯を見ると「3時から出ます・・」というメールが入ってたりする。なんで電話しないのだろう??

入った翌年、スキーに誘われた。大胆にも平日3日ほど休む計画だ。パートの面接の時、彼女が休む日は必ず出て下さいと言われていたので、2人同時に3日も休むなんて許可されるかな・・と思ったらこう言われた。「大丈夫よ、早めに言うとアレコレ言われるけど、直前に言ってもう変えられませんと言えば、どうしようもないでしょ」 はぁ~、そうか。そう言えば、彼女は大抵帰り間際に、「明日、休みます」と告げる。そういう手もあるわけね。

驚いたのは、時間通りに来ない事に誰も注意しないこと。というか、もう諦めムードで社長ですら、「出勤時間は彼女が決めますから」と言う。多分今までさんざん言ったのに効き目がなかったのだろうけど、その時点でよく、「もう来なくて結構です」と言われなかったなぁ。

後で知ったのだが、どうももう一つ不定期の仕事を頼まれていて、そちらの都合で来たり来なかったりしていたらしい。それと持病があり、病院での検査もあるのだとか。MRTなどは急に空きが出来たらその時間に行きたいからというのが、突然の休みの理由だ。病気は確かにお気の毒ではある。が、長い派遣生活とその前の派遣を雇う側での生活で分かったのは、「それじゃ、病気が治ったら又来てね、代わりは大勢居ますから」というのが雇う側の姿勢。これが普通だ。

百歩譲って病院の件は納得しても、別の仕事まで認めるほど心の広い企業はない。時間どおり来るとか遅れるなら連絡を入れるとか、基本的なことが出来なければ、例えお気の毒な身の上でも容赦なく切られるだろう。特にパートなら尚更だ。

PCも文書作成はクラリス・ワークス。最初に触ったのがこのソフトらしく、今やワード・エクセルが一般化の時代に、ワークスを通している。周囲がワードに変えてと言っても、面倒くさいと言う理由で変えない。最近は機械が発達して自動的に互換してくれるから良いけれど、ファイルを共有して使う方はやりにくい。表作成に到っては、まっ、当然ながら関数使用の複雑な表は作れない。

Lunch_2 昨今の派遣切りは製造系が多いようだが、派遣村のテントで寝泊りを余儀なくされている人の中にも、出勤時間はキチンと守り、休みは事前に申告し、PCも人並みに使える人だって居るだろう。そういう30-40代の人達が仕事がなく、家族を抱えて途方に暮れている一方で、周囲が諦めるくらいアレな勤務態度でも働き続けられる60代の主婦パートが居る。

なんか、不公平。

最近入った若い新人くんは朝が弱い。しょっちゅう寝坊しては遅刻する。勤務態度は最初が肝心と、彼女が注意するのをこの新人くんは神妙に聞いているが、今までの彼女の行状を知っている私としては、「アナタ様に言われたかねぇ~よなぁ」の心境である。

なぜ、彼女はクビにならないのか。知人曰く、「そりゃぁ、社長と出来てる!」
真偽の程は分からないが、少なくとも社長の話し相手にはなっている。経理が長いだけに、銀行担当者との交渉にも慣れている。社員のみならず社員の家族の健康なども気にかけ、どこかが悪いと言えば親身に病院や薬を紹介してくれる。本人曰く、「私はこの会社のお母さん」

そーですか。私しゃ、母は実母だけでたくさんです
それより、翌日休む時は一言そう言ってくれぇ。

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コメント

お久です。たまにはお邪魔します。
確かに派遣さんは気の毒です。可哀そう。
こんな制度が出来たから、会社は派遣を上手く使ってるんだよね。うちの会社も派遣さんいっぱいいます。
はっきり言って社員より仕事できる人も沢山ですよ。
嫌なら正社員になるしかない。
景気が良くなって、派遣制度を廃止しなきゃ、この悪弊は無くならない。困った現実です。

当方、毎日忙しく、えぇ百姓や生活に。
山も本も御無沙汰ですよ。穂高行きたいなあ。

投稿: 古本屋のオヤジ | 2009年10月 3日 (土) 13時59分

古本屋のオヤジさん

派遣制度自体はあってもイイと思うんですけどね。諸々の事情で派遣で仕事をしたい人も居ると思うので。実際私もそのクチでしたから。

ただ、仕事をする上で基本的なルールも守れない正社員さんがいつまでも働けて、能力のあるまっとうな派遣さんが職につけないのが、なんか理不尽だなぁ~と思うんです。

穂高方面はちょっと熱が冷めてしまいました(笑)。最近は黒部方面が気になってます。佐々成政の「さらさら越え」ルートとか、面白そうですね。

投稿: shinrabansho | 2009年10月 4日 (日) 01時55分

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