フライト 第3便
荷物と言えば、、、怒涛のフライト 3部作
2年前まで年に1回、アメリカで開催されるある製品の展示会へ、日本の販売店さんのグループをお連れする添乗員のような事をしていた。実際は身内が引率者なのだが、歳でもあるためその手伝いみたいな役割である。この展示会はアメリカの販売店協会主催で、展示会と同時にその協会の総会も開かれる。つまりは業界の寄り合いみたいなものだ。日本と同じように、アメリカでも「○○の里」やら「アメリカの心の故郷」やらがウリとなるような観光地で開催される。
country music の中心地、Music City、 Nashville ナッシュビルでの展示会に行く時、事件は起きた!
直行便がないので、どうしてもアメリカ国内で乗り継ぎが必要なのだが、United Air (UA)の格安チケットだった為、San Franciscoから一旦UAのハブ空港であるDenverに連れて行かれ、そこからNashvilleまで再度乗り換える。San Franciscoで入国し、まずは余裕でDenver行きに乗り込む。だが出発の時間を過ぎてもなかなか動かない。ドアを閉める様子もなく、乗客で誰か遅れている人が居るのかな~と思ってるところでパーサーからのアナウンスがあった。
「本日はご搭乗有り難うございます。当機は定刻○○時発、Denver行き△△便・・」 ふむふむ、どこも機内アナウンスは同じだ。アナウンスは更に続く。「ここで乗客の皆さまに良いニュースと悪いニュースがございます。良いニュースは、当機は出発の準備が全て整い、いつでも離陸できる状態でございます」 あ~、それじゃやっぱりお客さんが遅れてるんだなぁ。アナウンスは更に更に続く。
「悪いニュースは、キャプテン(機長)がまだ来ておりません」 はああぁぁぁ~~
飛行機慣れしているはずのアメリカ乗客の皆様方からも、OHH~というどよめきが起きる。
「ただ今、代わりのキャプテンがこちらに向っておりますが、あと1時間ほどお待ち下さい」 げっ、Denverでの乗り継ぎが間に合うだろうか。
アナウンスは更に、乗継の確認や便の変更はカウンターまでなど、諸々の案内が続く。その最中から手荷物を持って出て行く人が居るので、こちらも乗り継ぎ便の確認をしにカウンターまで行く。DenverからNashvilleに乗り継ぐのだが、予定の便には間に合わないと思うが・・と言うと、何名かと聞くので11名だと言うと、それだけの人数なら待ってるから大丈夫と言う。ほんとかぁ~? 次のNashville便は到着が深夜12時近くになるから、予定の便に乗れるか乗れないかは、か~な~り大きい問題なのだ。
半信半疑のまま座席に戻り、グループの方々に説明している時1人の制服姿が乗り込んできた。乗客の1人が「Are you Captain?」と聞けば、「Yes!」の答え。気付いた人達からは拍手で迎えられ、急に呼ばれてアセったみたいな事を言いながら、コックピットに入って行く。こうしてようやくSan Franciscoを飛び立った。
Denverに到着した頃はやはりNashville便の離陸時間は過ぎていた。機外に出ると、さすがハブ空港。乗り継ぎ便ごとにスタッフが立ってゲート案内をし、カートも何台か待機している。私たちのグループも「Nashville行き 11名」の情報が入っていたらしく、とにかくゲートまで走れと誘導してくれる。年配の方はカートに乗せてもらいお姉さんの後について空港内を必死に走る。これがまた、けっこう離れているんだな。Nashville便のゲートは既に閉まっていたが、先を行くお姉さんが、ゲート口のスタッフに11名!と叫ぶと開けてくれた。本来ならカウンターで乗り継ぎ手続きをしてピリっと破られるチケットも、映画館のもぎりみたいにゲート口でお姉さんが破る。我々11名が座席に着くと同時にドアは閉められ、Nashville便は動き出した。どーも、皆さん、お待たせ致しました。
ふぅ~、何とか間に合ったと安堵するも、落ち着いたら一つ疑問が。荷物はどうなった?Denverに着いて人間が全力疾走で飛び乗った飛行機だ。乗ったと同時に確かにこの飛行機は動き出した。はてさて、いつ荷物を運び込む時間がある?この時点で荷物は99%諦めた。
Nashvilleに着き、それでも1%の期待をもって荷物台で待ってると、あ~らビックリ、出るわ出るわ、結局全員の荷物が見事に出てきた。しかし一体どうやって積み込んだのだろう。Denver空港内を走ったあの僅かな時間だけでは絶対ムリだ。時間があるとすればスポットに着いて我々が機外に出る順番を待っている間。とはいえせいぜい10分もない。その間に荷物庫から出された荷物がこれまた全速力でNashville便に運ばれたとしか考えられない。だが、それには我々の荷物が貨物庫のdoor sideになければこの離れ業は不可能。となれば、San Franciscoで機長待ちをしている間に、貨物庫内で荷物の移動が行なわれていたに違いない。
ハブ空港ならではのメリットを最大に活用した連携作業。飛行機大国、アメリカならではの出来事だ。もっとも、これもSan Franciscoで、「私ら、Denverで乗り換えるのよぉ、次の便じゃ困るのよぉ~」とアピールしたからの結果と思うので、何かあったらとりあえず主張しておくのが、肝要。さぁ、これからのフライトでは、一体何が起きるのだろう。わくわくドキドキの飛行機旅はまだまだ、続く。
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